3次元で見える化(2)
概要
地盤の状態を3次元化 |
基礎形状とボーリングデータの配置 |
基礎直下の土質分布状況 |
地層断面図(1) |
地層断面図(2) |
地盤調査結果から地盤の状態を3次元で可視化した例を右図に示します。 もともとは某地盤調査会社に在職していたので、こういった業務が本業なのです。
というわけで、以下の解説には専門用語が含まれますので、興味がない場合は、文章を読み飛ばして 「こんなこともできるのか…」程度にお考えください。
地盤の状態を3次元化することが最大限に活かされる状況を考えると、 地盤の成層状況が不規則な場合が思い浮かびます。 特に、建物などの構造物を支える支持層が傾斜していたり、 沈下が問題となるような沖積粘性土層の層厚が一様ではなかったりする場合です。
たとえば、杭基礎であれば、「杭が支持層に到達していない」とか、 直接基礎ならば、基礎直下に「軟弱地盤がスポット的に存在している」 といったことを、視覚から直感的に把握できることが最大の特徴といえるでしょう。 地盤の情報が3次元で可視化されたからといって、 3次元の数値データを直接設計に反映する必要はないと思いますが、 2次元であるが故の"見落とし"や"思い込み"などによる 設計上のミスを減らすことができると考えられます。
そしてもう一つのメリットは、やはり3次元で数値データが得られることです。 たとえば、この3次元データの場合、8節点の6面体要素の集合からできています。 したがって、同じようなデータ形式が使えるFEM解析などにデータを流用することが比較的容易にできます。もちろん、 境界条件などは新たに設定する必要があります。
さて、話は少し変わりますが、この地盤モデルは、地層の3次元化手法として既知の地層境界面(通常は地表面)を 基準に各地層の層厚を積み上げる手法をとっています。 したがって、いかに各地層の層厚を正しく推定できるかが重要となります。 ボーリングデータ数が多ければ多いにこしたことはありませんが、ボーリングデータが少ない場合は、 データを補間することでボーリングデータ間の地層の層厚を推定しています。 このケースでは、ボーリングデータ間の層厚の推定に線形補間ではなくKriging法を用いています。
私の経験からすると、地盤調査の結果を『どうしても3次元で見なければダメだ』 といいうケースは実はあまり多くはないと思います。比較的地層が水平に堆積している平野部では、層相の変化も少なく、既往のボーリングデータが十分にあるため、3次元の必要性はあまりありません。その一方で、既往ボーリングデータが乏しく、設計上重要となる地層に傾斜があるような場合においては、安全性を担保する一つの手段として3次元の地盤モデルは有効に思います。
作成費用
単価
項目 | 作業単価 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
① | ボーリングデータ入力 | 1,000 | 円/本 | |
地層の設定(同定) | 3,000 | 円/本 | 地層が同定済みの場合は不要。 | |
3Dモデルのメッシュ作成 | 10,000 | 円 | 解析範囲に適したメッシュを作成します。 | |
地層データの補間 | 5,000 | 円/層 | Kriging法によるデータ補間を行います。 | |
地層の3Dモデル | 1,000 | 円/層 | MicroAVS用の地層データを作成します。 | |
ボーリングデータの3Dモデル | 1,000 | 円/本 | MicroAVS用のボーリングデータ(柱状図)を作成します。 | |
その他3Dオブジェクト(基本料金) | 3,000 | 円/個 | たとえば基礎などの構造物をMicroAVS用のデータとして作成します。 | |
その他3Dオブジェクト(節点料金) | 1,000 | 円/節点 | 〃 | |
カラーマップの作成 | 3,000 | 円 | 配色データを作成します。 | |
成果品(1) | 0 | 円 | MicroAVS用のデータを成果品として納品します。 | |
成果品(2) | 2,000 | 円/枚 | データ以外に必要な任意の静止画像が必要な場合は、有償にて対応いたします。 | |
② | 諸経費 | 20 | % | ①の項目の合計金額の20%を経費としてご請求します。 |
③ | 消費税 | 5 | % | ①と②の合計金額の5%を消費税としてご請求します。 |
費用例(上記の例の場合)
項目 | 作業単価 | 数量 | 金額 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
① | ボーリングデータ入力 | 1,000 | 円/本 | 18 | 18,000円 | |
地層の設定(同定) | 3,000 | 円/本 | 18 | 54,000円 | ||
3Dモデルのメッシュ作成 | 10,000 | 円 | 1 | 10,000円 | ||
地層データの補間 | 5,000 | 円/層 | 6 | 30,000円 | ||
地層の3Dモデル | 1,000 | 円/層 | 6 | 6,000円 | ||
ボーリングデータの3Dモデル | 1,000 | 円/本 | 18 | 18,000円 | ||
その他3Dオブジェクト(基本料金) | 3,000 | 円/個 | 2 | 6,000円 | ||
その他3Dオブジェクト(節点料金) | 1,000 | 円/節点 | 14 | 14,000円 | ||
カラーマップの作成 | 3,000 | 円 | 1 | 3,000円 | ||
成果品(1) | 0 | 円 | 1 | 0円 | ||
成果品(2) | 2,000 | 円/枚 | 5 | 10,000円 | ||
小計 | 169,000円 | |||||
② | 諸経費 | 20 | % | - | 33,800円 | |
③ | 消費税 | 5 | % | - | 10,140円 | |
合計 | 212,940円 |