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日本傾斜地マップ with GoogleEarth

地盤工学会誌2011年10月号

 国土地理院で公開されている 基盤地図情報「10mメッシュ(標高)」 を用いて、日本全国47都道府県における10mメッシュの傾斜地マップを作成しました。

 日本では毎年多くの斜面崩壊が発生しており、近年では豪雨に伴って発生した 斜面崩壊による土砂災害のニュースを耳にすることも少なくありません。 日本各地で斜面崩壊によって人的あるいは経済的に甚大な被害を被っているのが現状といえます。

 斜面崩壊が発生する要因としては、「水(雨)」,「土質」,「地形」,「地震などの外力」等が考えられます。 本傾斜地マップは地形の特性を評価する指標になるものと考えております。

 斜面崩壊は、「いつ」、「どこで」、「どのように」発生するかを予測することは困難ですが、 斜面崩壊の可能性がある場所(「どこで」)の推測が可能であれば、 人的被害を少なくすることが可能と考えられます。本傾斜地マップがその一助になれば幸いです。

 本システムではGoogleEarthを使用することで、 構造物(建物,道路など)と急傾斜地との位置関係を閲覧することができます。 GoogleEarthでは、3次元的に地形を閲覧することが可能なので、 あらゆる角度から傾斜地マップを閲覧することが可能です。

目次

傾斜値の算出方法について

(1)傾斜値の算出

 本検討では、 基盤地図情報「10mメッシュ(標高)」から算出した各地点間の標高差ΔHと、各経緯度における 楕円体の地心直交座標から算出した各地点間の距離 L' を用いて傾斜値Aを算出しています(式(1),図1参照)。

 また、各地点において8方向(N,S,E,W,NE,NW,SE,SW)の傾斜値を算出した上で、 最大傾斜値を算出しています。

図1.傾斜値の算出

 

 傾斜地の算出に際しては、基盤地図情報の標高値がT.P.(東京湾平均海面基準) で表記されていることを勘案すると、地点間距離をジオイド(※1) 付近での2点間距離として算出するのが望ましいですが、 本検討では便宜的に2点間距離を楕円体(ジオイド高:0,標高:0)上の距離L'として算出しています。

 ちなみに、ジオイド高を100mとした場合と、ジオイド高を0mとした場合の2点間距離の誤差は、 0.002%程度(※2)なので、標高データ(※3) が1/25,000地形図から作成されていることを鑑みると、 2点間距離の精度は傾斜値の算出に際しては実用上問題ありません。

 


※1) 日本では東京湾平均海面をジオイドと定めています。 ジオイド高は場所によって異なり、実際のジオイド高は、40m前後です。
  ジオイドとは:http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geoid/geoid/geoid.html
  ジオイド高の計算: http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geoid/calcgh/calcframe.html
※2) 半径を楕円体の長半径(r'=6378137m)とした場合と、 半径を楕円体の長半径+ジオイド高100mとした場合(r=6378137m+100m) の円周長比(=2πr'/2πr=r'/r)より算出した値。
※3) 標高データは、1/25,000地形図の等高線データを元に、0.4秒(≒10m)四方 の中心の高さとして作成されている。 また、標高データは、0.1m単位で表記されているが、精度は1mとされている。
(2)経緯度および高さから地心直交座標への変換

 基盤地図情報「10mメッシュ(標高)」 では、経緯度座標(DMS)と標高値を取得することができます。

傾斜値は、前述のように2点間の距離と標高差から算出することができますが、 基盤地図情報の経緯度座標(DMS)をメートル座標に変換する必要があります。

 本計算では、次式を用いて経緯度座標をメートル座標に変換しています(※4)


※4) 経緯度及び高さから地心直交座標への変換:
     http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/trans_alg/trans_alg.html
  楕円体の原子、諸公式及び定数:
     http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/surveycalc/algorithm/ellipse/ellipse.htm
  楕円体の長半径,扁平率については、測量法施行令第2条の2に定められた値 (世界測地系:測地成果2000による)を採用しています。

傾斜地マップのサンプル

 傾斜値解析により得られた傾斜地マップのサンプルを以下に示します。 傾斜値カラーコンターを見ると、図上での急傾斜地点を把握すること可能ですが、 この図だけでは構造物(建物,道路など)との位置関係はわかりません。

 また、サンプルでは、傾斜が0°〜±90°までをカラーコンターとして表示していますが、 特定の傾斜の範囲(例えば30°以上等)のみのカラーコンターを作成することも可能です (有償)。

サンプルの範囲

サンプルエリア(No.5033-60)

サンプルエリア(No.5033-60)の傾斜値カラーコンター

サンプルファイルのダウンロード

 日本傾斜地マップのサンプルファイル(前述のNo.5033-60)をダウンロードすることができます。

ダウンロードファイル サイズ ダウンロード 閲覧方法
Readme.txt Readme.txt 5 KB メモ帳などのテキストエディタ
数値データサンプル 数値データファイル 1,373 KB メモ帳などのテキストエディタ
カラーコンター カラーコンター図 993 KB

Windowsフォトビューアー,ペイントなど

カラーマップファイル 1 KB メモ帳などのテキストエディタまたは『ColorMapEditor
一括ダウンロード 2,370 KB

 ダウンロードファイルはすべてZIP形式で圧縮されています。

傾斜地マップの活用方法

GoogleEarthを使ったカラーコンター図の閲覧

 傾斜地マップをGoogleEarthにマッピングし、動画として作成したものを以下に示します。

 本動画は、高速自動車道(松山自動車道いよ西条IC〜新居浜ICまで)沿いに傾斜状況を 俯瞰したものになります。

 GoogleEarthへのカラーコンター図のマッピングには、『 GoogleEarthで地図表示』を使用しています。

 本動画は、YouTubeにアップロードした動画なので、 ストリーミング配信の圧縮により画質が劣化しています。 元の動画の画質は、以下のスクリーンショットを参考にしてください。 画像をクリックすると、新しいウィンドウに画像(原寸)が表示されます。

 GoogleEarthのツアーファイルの制作,動画制作については、こちら をご参照ください。

急傾斜地の抽出

 「 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」では、 傾斜度が30°以上の土地を急傾斜地として定義しています。 加えて、地方自治体によっては、高さが5m以上の斜面であることや、 人家が5戸以上あること、あるいは官公署・学校・病院・旅館等に 危害が生ずるおそれがあることなどの条項が加えられていたりします。 GoogleEarthを併用すると、急傾斜地近傍にある人家などの 建物の有無を容易に判断することが可能です。

 以下に 傾斜地マップの数値データを使用して傾斜が30°以上の地域を抽出したカラーコンター図を示します。

サンプルエリア(No.5033-60)の傾斜値カラーコンター(傾斜30°以上に着色)

データの諸元

 本検討で作成した傾斜地マップの解析諸元,データ諸元は下表の通りです。

数値データの諸元
項目 内容

ファイル単体

収録範囲 経度範囲:450″
緯度範囲:300″
データ数:経度方向:1125点
 緯度方向: 750点
精度 表記上は、有効数字4桁
※基盤地図情報の標高値の精度に依存する
ファイル形式 テキスト(シフトJIS)
ファイルサイズ 8.04MB(8,440,022バイト)
全ファイル 収録範囲 日本全国(47都道府県,北方四島を除く)
経度:E122.875472°〜E153.996139°
緯度:N 20.421389°〜N 45.585528°
※基盤地図情報の範囲に準ずる
ファイル総数 4,751枚
ファイルサイズ合計 37.3GB(40,098,544,522バイト)
画像データの緒元
項目 内容
ファイル単体 収録範囲 数値データに同じ
縮尺 ありません
画角 1125ピクセル×750ピクセル
※1ピクセルは0.4秒四方
ファイル形式 ビットマップ
ファイルサイズ 19KB〜1.27MB
全ファイル 収録範囲 数値データに同じ
ファイル総数 4751枚
ファイルサイズ合計 3.61GB(3,876,782,182バイト)

解析結果の入手方法について

 解析結果の数値データとカラーコンター図を販売しています。申し込みは 専用申込みフォームからお願いいたします。

DVD-Rによるエリア別データの販売

 解析結果をエリア毎にDVD-Rにまとめたものを販売しています。

配布メディア DVD-R(4.7GB)
配布方法 郵送
販売単価(送料・消費税込み) 10,500円(DVD-R 1枚あたり)
電子メールによる単体データファイルの販売

 解析結果の指定図幅分を1ファイル単位でもご購入いただけます。

配布方法 電子メールの添付ファイルとして配布
販売単価(消費税込み) 250円(1図幅分の1ファイル)

データ利用に際して

承認事項について

 この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の基盤地図情報を使用した。 (承認番号 平22業使、第349号)(承認番号 平23情使、第345号)

複製および使用について

 本データを複製又は使用して新たな成果物を作成する場合は、国土地理院の長の承認を得る必要があります。

転載・配布について

 本データ集は、無償にて配布をしておりますが、上述のように複製および使用に際しては、 国土地理院長の承認を必要とすることから、無断での転載・配布は行わないでください。 また、転載・配布を行う場合は、国土地理院長の承認に加え、マクロ屋本舗の承認が必要となります。

引用について

 刊行物等に本データを掲載する場合、その目的上正当な範囲内においては、 「マクロ屋本舗の日本傾斜地マップを使用して出力した。」等の出所(著作権者および著作物名) の明示をすることにより引用することができます。

カラーコンター図のカスタマイズ

 有償になりますが、ご希望に応じて色境界を調整したコンター図を作成したり、 別途解析をすることも可能です。また、標高値のカラーコンター図を作成することが可能です。

日本傾斜地マップのカスタマイズ 作業費用(税込み)
基本料金 10,500円
カラーコンター図作成(1枚あたり) 5,250 円
カラーマップファイルの作成 5,250 円